アプリ開発の外注費用と自社開発費用
アプリ開発は、以下のような開発方法があります。
- 外注する場合
- 自社で開発する場合
- ノーコードで開発する場合
外注する場合
アプリ開発を外注する場合、主に以下のような費用がかかります。
- プログラマーの人件費
- プロジェクトマネージャーの人件費
- 外注会社への手数料
これらの費用には、外注会社の規模や地域、開発内容によっても大きな差があります。
特に、プログラマーの人件費については、人材不足によって高騰する傾向にあるため、注意が必要です。
また、外注する場合は、コミュニケーションコストや品質管理のコストがかかることがあります。
外部の開発会社とのコミュニケーションが円滑でなかった場合、納期や品質に問題が生じる可能性があるため、プロジェクトマネージャーの役割が重要となります。
自社で開発する場合
自社でアプリ開発を行う場合、主に以下のような費用がかかります。
- プログラマーの人件費
- 開発環境やツールの導入費用
- 開発期間中の社内経費
外注する場合と比較して、人件費は低く抑えることができるように見えますが、採用コストなどがかかります。
そして、開発環境やツールの導入費用は高額になることがあります。
また、社内での開発には、プロジェクトマネージャーや品質管理者の役割も必要となります。
自社で開発する場合は、開発の進捗管理や品質管理について、自社でコントロールすることができるため、外注する場合よりも品質面でのリスクを低くすることができます。
ノーコードで開発する場合
アプリ開発において、最近注目されている手法の一つが「ノーコード開発」です。
ノーコード開発とは、プログラミングの知識がなくても簡単にアプリを開発できる開発手法のことを指します。
ノーコード開発には、下記のような特徴があります。
- プログラミングの知識が不要
- 開発期間が短い
- 開発コストが低い
- 柔軟なカスタマイズが可能
上記のような特徴から、ノーコード開発は、外注や自社開発と比較して、低コストかつスピーディーな開発が可能となります。
また、開発が容易であるため、アイデアを形にしやすくなるというメリットもあります。
ただし、ノーコード開発には、以下のようなデメリットがあります。
- カスタマイズが限られる
- 機能やデザインに制限がある
- アプリの規模が大きくなると開発コストが増大する
ノーコード開発を利用する際は、上記のデメリットにも注意しながら、開発手法を選択する必要があります。
アプリ開発を外注するメリット
外注する場合のメリットについて、以下のような点が挙げられます。
- 自社にエンジニアがいなくてもアプリを開発できる
- クオリティの高いアプリを早く納品してもらえる
- エンジニアの人件費がかからない
自社にエンジニアがいなくてもアプリを開発できる
アプリを開発する場合、自社にエンジニアがいない場合には外注するのがおすすめです。
外注することで、自社にエンジニアを雇う必要がなくなります。
自社にエンジニアがいなくても、外部のエンジニアが開発を担当してくれますので、自社の開発チームを構築する必要がなくなります。
また、外部のエンジニアは開発に必要な技術や知識を持っている場合が多いため、技術力が不足している自社に比べて高い品質のアプリを開発してくれることが期待できます。
クオリティの高いアプリを早く納品してもらえる
外注することで、アプリ開発に必要なエンジニアがすでに外部に存在しており、すぐに開発に取り掛かることができます。
また、外部のエンジニアはプロジェクトの進捗状況について迅速に報告してくれますので、自社開発よりもアプリの開発期間が短縮されることが期待できます。
さらに、外部のエンジニアは開発に必要な技術や知識を持っているため、高いクオリティのアプリを早く納品してもらうことができます。
エンジニアの人件費がかからない
外注する場合、自社でエンジニアを雇う必要がなくなるため、人件費を抑えることができます。
自社でエンジニアを雇う場合には、社会保険や福利厚生などの費用がかかるため、外部のエンジニアを利用することで人件費の削減が期待できます。
大規模な開発では無い場合、外注した方がコストを抑えられます。
アプリ開発を外注するデメリット
外注する場合のデメリットについて、以下のような点が挙げられます。
- 外注費用がかかる
- アプリ開発のノウハウが蓄積されない
- 開発会社により、実力に差がある
外注費用がかかる
アプリ開発を外注する場合、開発会社に対して一定の費用が発生します。
外注費用は、アプリの開発内容や規模によって異なりますが、場合によっては自社で開発する場合よりも外注費用が高くなることがあります。
アプリ開発のノウハウが蓄積されない
アプリ開発を外注すると、自社内にアプリ開発のノウハウが蓄積されないというデメリットがあります。
外注先によっては、アプリ開発のノウハウを積極的に共有してくれる場合もありますが、そのようなケースは稀であり、多くの場合、アプリ開発のノウハウは外注先に帰属してしまいます。
開発会社により、実力に差がある
外注先の開発会社によっては、実力に差があることがあります。
クオリティの高いアプリを開発してくれる開発会社もあれば、逆に低品質なアプリしか開発できない会社もあります。
外注先の開発会社を選ぶ際には、開発会社の実績や評判、開発体制などを十分に調べることが重要です。
また、開発会社とのコミュニケーションも重要であり、スムーズなコミュニケーションができる開発会社を選ぶことが求められます。
アプリ開発を自社で行うメリット
自社でアプリ開発を行うメリットとしては、以下が挙げられます。
- 社内の人材で開発する場合、費用を抑えられる
- アプリ開発のノウハウが蓄積される
社内の人材で開発する場合、費用を抑えられる
アプリ開発を自社で行う場合、外部に依頼することに比べて、すでにエンジニアを雇っている場合では、開発費用を抑えることができます。
外注にかかる報酬や交通費などが発生しないため、より効率的に開発を行うことができます。
また、社内の人材で開発を行うことで、アプリ開発に関するノウハウを蓄積することができます。
開発者は、自分たちが開発したアプリの仕組みや技術に精通しているため、開発中に発生した問題を解決することができます。
これにより、将来的なアプリ開発においても、より効率的な開発が可能となります。
アプリ開発のノウハウが蓄積される
アプリ開発を自社で行う場合、社内の人材が開発を担当することになります。
そのため、アプリ開発に関するノウハウが蓄積されていきます。
これにより、今後のアプリ開発において、よりスムーズに開発を進めることができます。
また、社内の人材がアプリ開発に携わることにより、他の部署とのコミュニケーションもスムーズになります。
アプリ開発を外部に依頼する場合、外注先とのやり取りや調整に時間がかかることがありますが、社内で開発を行う場合は、このような問題を回避することができます。
以上のように、アプリ開発を自社で行う場合、費用の削減やノウハウの蓄積、業務効率化などのメリットがあります。
しかし、社内の人材にアプリ開発を担当させる場合は、開発者の負担が増えることにも注意が必要です。
アプリ開発を自社で行うデメリット
一方、自社でアプリ開発を行うデメリットとしては、以下が挙げられます。
- 退職などにより開発が困難になるケースがある
- 社内の人材によりアプリの質が変わる
退職などにより開発が困難になるケースがある
アプリ開発を自社で行う場合、社内の人材で開発を進めることになります。
しかし、社内の人材が退職してしまったり、急に別のプロジェクトに移動してしまった場合、アプリの開発が中断してしまう可能性があります。
そのため、人材不足や急な人員変更などのリスクを考慮する必要があります。
社内の人材によりアプリの質が変わる
また、アプリ開発を自社で行う場合、開発チームのスキルや経験によってアプリの質が変わってくる可能性があります。
社内の人材であっても、アプリ開発の経験が浅かったり、スキルに差がある場合、同じ機能でも実装方法や開発の進め方が異なってしまい、アプリの質に影響を与えることがあります。
また、社内の人材によっては、最新の技術やトレンドに対する知識が不足している場合もあるため、アプリの開発に必要な技術力が不足している可能性もあります。
アプリ開発を外注する際の費用相場を種類別に解説
外注する際のアプリ開発の費用相場を、種類別に解説しています。
- 種類別のアプリ開発にかかる費用相場
- 費用の内訳は人件費と固定費
種類別のアプリ開発にかかる費用相場
以下の4種類について、費用相場をまとめました。
- スマートフォンアプリ
- Webアプリケーション
- SNSアプリ
- ゲームアプリ
それでは解説していきます。
スマートフォンアプリの場合
スマートフォンアプリの場合、アプリの種類や機能によって費用相場が異なりますが、一般的には以下のような金額が相場として挙げられます。
- モバイルアプリ: 402〜4,020万円
- iPhoneアプリ: 737〜4,020万円
- Androidアプリ: 670〜4,020万円
(引用:SPD LOAD 2023年3月9日参照)
Webアプリケーションの場合
Webアプリケーションの場合も、アプリの種類や機能によって費用相場が異なりますが、以下のような金額が相場として挙げられます。
- シンプルなアプリ: 100〜300万円
- 中規模なアプリ: 300〜700万円
- 大規模なアプリ: 700万円以上
(※自社調べ 2023年3月9日時点)
Webアプリケーションの場合は、開発費用に加えて、サーバー費用やドメイン取得費用などが必要になるため、総費用は上記の金額に加えて考慮する必要があります。
SNSアプリ
SNSアプリの場合、ユーザー同士がコミュニケーションを取り合うことを主眼に置いたアプリであるため、UIや機能が重要になります。
また、データ管理やセキュリティにも配慮する必要があります。
そのため、開発に必要な費用はツールアプリに比べると比較的高い傾向にあります。
一般的には650~4,000万円程度が相場となっています。
(引用:SPD LOAD 2023年3月9日参照)
ゲームアプリ
ゲームアプリの場合、制作に必要な人材や技術が他のアプリと比較して高度なものが多いため、制作費用も高額になります。
また、グラフィックデザインや音楽などのコンテンツに関しても高品質なものが求められるため、制作に必要な費用が高くなる傾向にあります。
一般的には、以下のような額が相場となっています。
- スマホゲームアプリ:100~500万円程度
- ブラウザゲームアプリ:300~1,000万円程度
- PCゲームアプリ:1,000万円以上
(※自社調べ 2023年3月9日時点)
費用の内訳は人件費と固定費
アプリ開発にかかる費用は、大きく人件費と固定費に分かれます。
人件費は、プログラマーなどの技術者がアプリ開発にかかる作業時間に応じて支払われる費用であり、開発期間が長いほど費用も増えます。
一方、固定費は、開発環境の整備や開発に必要なツールの購入費用、サーバーのレンタル費用など、開発にかかる必要経費のうち、作業時間に関係なく支払われる費用です。
アプリ開発の費用を安く抑える方法3選
アプリ開発の費用を安く抑える方法として、以下が挙げられます。
- 自社で対応できる範囲は外注しない
- 運用・保守費用を計算する
- ノーコードでシステムを開発する
自社で対応できる範囲は外注しない
アプリ開発の中で、自社で対応できる範囲を見極めることが大切です。
自社で対応できることは、外部の企業に依頼せずに自社で対応するすることで、外部企業に支払う費用を抑えることができます。
例えば、自社で対応できる範囲としては、以下のようなものがあります。
- UI/UX設計
- 一部のプログラミング
- テスト
ただし、自社で対応できない部分については、外部企業に依頼する必要があります。
そのため、自社で対応できる範囲をしっかりと見極めることが重要です。
運用・保守費用を計算する
アプリ開発後も、運用や保守には費用がかかります。
アプリの運用や保守を行うことで、アプリの品質を維持し、ユーザーからの信頼を得ることができます。
しかし、運用・保守費用を見落としてしまうと、予想外の費用がかかってしまうこともあります。
そのため、アプリ開発前に、運用・保守費用を見積もることが必要です。
以下に、運用・保守費用を計算するためのポイントを紹介します。
- 必要な人数を見積もる
- 必要な時間を見積もる
- 必要な設備やツールを見積もる
これらを踏まえて、運用・保守費用を見積もることができます。
運用・保守費用を事前に見積もることで、予想外の費用がかかることを防ぎ、費用削減につながります。
ノーコードでシステムを開発する
アプリを開発するには、プログラミングの知識が必要ですが、ノーコードツールを利用すれば、プログラミングの知識がなくてもアプリを開発することができます。
ノーコードツールは、アプリの機能やデザインを組み合わせるだけでアプリを作成できるため、開発に必要な時間と費用を大幅に削減することができます。
以下は、ノーコードツールを利用する際のポイントです。
- 比較検討を行い、自社のニーズに合ったツールを選択する
- 複雑な機能を実現する場合は、開発に時間と費用がかかるため、十分に検討する
- デザインや機能に関する知識が必要となる
まとめ
この記事は、アプリ開発を外注する場合と自社で開発する場合のメリットとデメリットについて、また、外注費用相場や費用を安く抑える方法について解説しています。
外注する場合、自社にエンジニアがいなくてもクオリティの高いアプリを早く納品してもらえるというメリットがありますが、外注費用がかかり、ノウハウが蓄積されないというデメリットもあります。
一方、自社で開発する場合は、費用を抑えられるというメリットがありますが、退職などにより開発が困難になるケースや、社内の人材によりアプリの質が変わるというデメリットがあります。
この記事を、アプリ開発を外注するか自社で行うかの判断や、費用を安く抑える事に役立てて下さい!