システム開発の費用・料金相場とは?
システム開発における費用には、人件費、ハードウェア・ソフトウェア購入費用、開発環境構築費用などが含まれます。
また、エンジニアの技術力や経験、開発期間、チーム規模などによっても大きく変わります。
システムには大きく分けて4種類あり、それぞれの開発費用について、料金相場を知っておくことが大切です。
種類 | 料金相場 |
---|---|
基幹システム | 30~500万円程度 |
業務システム | 10~400万円程度 |
Webシステム | 100~500万円以上 |
スマホアプリ | 300~1500万円程度 |
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システム開発費用のほとんどは人件費
システム開発費用のほとんどは人件費となります。
具体的には、下記のような要素で構成されています。
- 人件費が開発費用の8割以上を占める
- 人件費は「人数 × 人月単価× 月数」で決まる
- エンジニアのスキル・開発規模により費用は変わる
人件費が開発費用の8割以上を占める
システム開発の費用の大部分は、人件費によって占められます。
一般的に、システム開発にかかる費用のうち、おおよそ80%が人件費とされています。
このため、人件費を抑えることは、システム開発費用全体の削減に繋がります。
人件費は「人数 × 人月単価× 月数」で決まる
システム開発における人件費は、下記の要素を掛け合わせることで算出されます。
- プロジェクトに関わる人数
- 人月単価(1人が1か月働く際の費用)
- 開発期間(月数)
例:10人のチームで、人月単価が50万円、開発期間が6か月の場合
人件費 = 10 × 50万円 × 6 = 3,000万円
エンジニアのスキル・開発規模により費用は変わる
システム開発費用は、エンジニアの技術力や経験、および開発規模によって大きく変動します。
経験豊富なエンジニアほど人月単価が高くなり、開発規模が大きいほど必要な人数や期間が増えるため、費用も上昇します。
また、技術的な難易度が高いプロジェクトや、特殊な技術を要するプロジェクトでは、専門性の高いエンジニアが必要となり、人件費がさらに上がることもあります。
このように、システム開発費用はエンジニアのスキルや開発規模によって変わるため、予算や目的に応じた適切なチーム編成や技術選定が重要となっていきます。
基幹システム開発の種類と費用相場
基幹システムは、企業の経営を支える重要なシステムです。
各企業の根幹となる業務を管理するシステムのことを指します。
多くの種類があり、費用相場もさまざまです。
- 基幹システムの種類
- 基幹システム開発の費用相場
基幹システムの種類
基幹システムには、以下のような種類があります。
- 経理・財務システム
- 人事・労務システム
- 生産管理システム
- 営業・販売管理システム
- 物流・在庫管理システム
経理・財務システム
企業の財務情報を管理・分析するためのシステムです。
主な機能には、会計帳簿の作成、予算管理、財務分析、税務対応などがあります。
このシステムは、企業の経営状況を把握し、適切な意思決定を行うために重要な役割を果たします。
人事・労務システム
従業員の情報を一元管理し、労務管理業務を効率化するためのシステムです。
主な機能には、人事情報管理、給与計算、勤怠管理、評価管理、採用管理などがあります。
効率的な人材管理により、企業の競争力を高めることが期待できます。
生産管理システム
製造業において生産計画、進捗管理、品質管理などの業務を効率化するためのシステムです。
主な機能には、在庫管理、生産スケジュールの最適化、資源管理、原価計算などがあります。
このシステムを活用することで、生産効率の向上やコスト削減が図れます。
営業・販売管理システム
営業・販売管理システムは、企業の営業活動や販売情報を管理・分析するためのシステムです。
主な機能には、顧客管理、受注管理、見積もり作成、売上分析、営業支援などがあります。
このシステムの活用により、効果的な営業戦略の立案や実行が可能になります。
物流・在庫管理システム
商品の在庫や物流情報を一元管理し、物流業務を効率化するためのシステムです。
主な機能には、在庫管理、入出庫管理、配送スケジュール管理、運送業者管理などがあります。
このシステムを活用することで、適切な在庫水準の維持や配送コストの削減、顧客満足度の向上や納期管理の最適化につながります。
企業はスムーズなサプライチェーンを実現し、ビジネスパフォーマンスを向上させることが期待できます。
基幹システム開発の費用相場
基幹システム開発の費用相場は、開発するシステムの種類や規模、カスタマイズの程度によって異なります。
基幹システムの開発費用相場は下記の通りです。
種類 | 費用相場 | 参考 |
経理・財務システム | 1000~5000万円 | 導入する機能や規模による |
人事・労務システム | 300~1000万円 | 従業員数や管理機能の複雑さによる |
生産管理システム | 500~1000万円以上 | 製造ラインや工程の多様性による |
営業・販売管理システム | 1500万円程度 | 営業プロセスや取引先数による |
物流・在庫管理システム | 500万円以上 | 倉庫の規模や商品の種類による |
業務支援・顧客管理システム開発の種類と費用相場
業務支援・顧客管理システム開発の種類と費用相場を、以下の順に解説します。
- 業務支援・顧客管理システムの種類
- 業務支援・顧客管理システム開発の費用相場
業務支援・顧客管理システムの種類
業務支援・顧客管理システムは、企業活動を円滑に進めるためのツールです。
種類は多岐にわたりますが、主なものをご紹介します。
- CRM(顧客関係管理)システム
- SFA(営業支援)システム
- タスク管理システム
- 人事・労務管理システム
CRM(顧客関係管理)システム
顧客情報を一元管理し、営業活動やマーケティング戦略を効果的に行うためのシステムです。
顧客情報や取引履歴、問い合わせ履歴、顧客からのフィードバックなどを管理し、顧客との関係をより強化し、顧客満足度を向上させることを目的とします。
SFA(営業支援)システム
営業活動の効率化やサポートをするシステムです。
見込み顧客の把握、商談の進捗管理、見積書・契約書の作成、注文管理、販売実績の分析などが可能です。
タスク管理システム
タスクの共有・割り当てができるシステムです。
複数の人が協力して業務を進める場合に、タスクの進捗状況を把握・共有し、円滑、迅速かつ効率的な業務遂行を目指します。
人事・労務管理システム
社員情報や勤怠管理、給与計算など、人事・労務業務を効率化するシステムです。
労働法に基づいた正確な給与計算を行い、社員の働き方の改善や生産性向上に役立ちます。
企業規模や業務内容に応じて選定することが重要です。
業務支援・顧客管理システム開発の費用相場
業務支援・顧客管理システム開発の費用相場は、システムの種類や規模、開発方法によって大きく異なります。
以下に、ざっくりとした相場を示します。
- 小規模なシステム(機能が限定的):100万円~300万円
- 中規模なシステム(機能が多岐にわたる):300万円~1000万円
- 大規模なシステム(複雑な機能や独自性が強い):1000万円以上
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Webシステム(EC・口コミサイト)開発の種類と費用相場
Webシステム(EC・口コミサイト)開発の種類と費用相場について説明します。
- Webシステムの種類
- Webシステム開発の費用相場
Webシステムの種類
- 電子商取引(EC)サイト
- 口コミサイト
- コンテンツ管理システム(CMS)
電子商取引(EC)サイト
商品やサービスの販売を行うウェブサイトです。
顧客が簡単に購入できるように、ショッピングカートや決済機能が必要です。
口コミサイト
ユーザーがレビューや評価を投稿できるサイトです。
意見を共有し、情報収集のための手段として利用されています。
コンテンツ管理システム(CMS)
ウェブサイト上のコンテンツを管理・編集できるシステムです。
簡単に情報を更新できるよう設計されています。
Webシステム開発の費用相場
ウェブシステム開発の費用相場は、システムの機能や規模、開発会社によって異なります。
- ECサイト
- 口コミサイト
- CMS
それぞれの費用相場を表にまとめました。
種類 | 料金相場 | 参考 |
ECサイト | 100~500万円以上 | 機能やデザインの複雑さによる |
口コミサイト | 30~200万円程度 | ユーザーの投稿機能や評価システムの複雑さによる |
CMS | 40~60万円以上 | 高度な機能や独自デザインを使用すると変動 |
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スマホアプリ開発の種類と費用相場
スマホアプリ開発の種類と費用相場は、以下の通りです。
- スマホアプリの種類
- スマホアプリ開発の費用相場
スマホアプリの種類
スマホアプリにも、さまざまな種類があります。
- ゲームアプリ
- ツールアプリ
- コミュニケーションアプリ
ゲームアプリ
ユーザーが楽しめるゲームを提供するアプリです。
グラフィックや操作性が重要です。
ツールアプリ
日常生活や仕事を助ける機能を提供するアプリです。
ユーザーの利便性を追求した設計が求められます。
コミュニケーションアプリ
ユーザー同士がコミュニケーションを取ることができるアプリです。
メッセージや音声通話などの機能が含まれます。
スマホアプリ開発の費用相場
スマートフォンアプリ開発の費用相場は、アプリの種類や機能、開発会社によって異なります。
- ゲームアプリ
- ツールアプリ
- コミュニケーションアプリ
こちらも、それぞれの費用相場を表にまとめました。
種類 | 料金相場 | 参考 |
ゲームアプリ | 800~3500万円以上 | グラフィックやゲームシステムの複雑さによる |
ツールアプリ | 500万円以上 | 機能の多様性や使いやすさによる |
コミュニケーションアプリ | 500~1000万円以上 | セキュリティやプライバシー保護などの要素が費用に影響 |
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システム開発の費用を安く抑える方法4選
システム開発の費用を安く抑える方法を解説します。
- システムの要件・欲しい機能を明確に伝える
- 予算を伝えておく
- 運用・保守費用を計算する
- ノーコードでシステムを開発する
システムの要件・欲しい機能を明確に伝える
まず最初にやるべきことは、システムの要件・欲しい機能を明確に伝えることです。
出戻りを減らすことができれば、修正費用を減らせます。
また、開発業者に要件を明確に伝えることで、必要のない機能や不必要な工程を省くことができます。
それにより、開発業者が不明な点を解決するためにかける時間や手間も減らすことができます。
予算を伝えておく
システム開発において、予算を伝えておくことも大切です。
開発業者が予算を知っていることで、開発において予算オーバーを防止することができるだけでなく、予算内で最も効果的なシステムを開発することができます。
予算を伝える場合、ある程度余裕を持った金額を伝えることも重要です。
開発の途中で予算オーバーとなってしまった場合、開発を中断してしまうことがあるため、余裕を持った予算を伝えることが望ましいと言えます。
運用・保守費用を計算する
運用・保守費用を事前に計算することも重要です。
それにより、適切なシステム保守体制を整えることができ、システムトラブルや不具合が発生した場合に素早く対応できるようになります。
運用・保守費用を把握できていない場合、開発後にかかる費用が予想外に高くなることがあります。
様々な要素を考慮したうえで運用・保守費用を適切に見積もり、ランニングコストまで考えて外注する会社を決め、予算内に収めるようにしましょう。
ノーコードでシステムを開発する
最近では、ノーコードでシステムを開発することが可能になっています。
ノーコードとは、プログラミング知識がなくても、ビジュアルなエディターを使ってシステムを開発することができる手法のことです。
ノーコードを利用すれば、プログラマー不在でも開発が可能になるため、コスト削減につながります。
また、開発期間も短縮されるため、時間と労力を節約することができます。
以上の4つの方法を利用することで、システム開発の費用を抑えることができます。
もちろん、多くの事例や参考情報を収集し、自社に最適な開発方法を見つけることが大切です。
システム開発の内訳6項目
システム開発の内訳について解説します。
- 要件定義
- 設計・テスト
- 開発
- デザイン
- 導入・導入支援
- ハードウェア・ソフトウェア購入費用
要件定義
まず最初に行うべき工程は、要件定義です。
要件定義とは、システムに必要な機能や性能などの要件を明確に定義することです。
開発の基礎となるため、この工程が適切に行われないと、後の工程でのトラブルやコスト増加などのリスクが生じる可能性があります。
設計・テスト
次にシステムの設計を行います。
設計では、要件定義で定義された要件を満たすシステムを設計します。
システムの機能や性能、インターフェースなどを設計し、開発に必要な詳細な仕様を定義します。
また、設計と同時にテストも行います。
テストは、開発中のシステムに対して、要件定義で定義された要件が満たされているかを確認する作業です。
テストにより、システムの品質を向上させ、開発中に問題が発生した場合に早期に発見することができます。
開発
続いて、システムの開発を行います。
開発では、設計で定義された要件に従って、システムのプログラムを作成します。
開発には、プログラミング言語やフレームワーク、ツールなどが必要になります。
この工程にはコーディングのみでなく、ドキュメンテーションやバグ修正なども含まれます。
開発作業には多くの時間と労力が必要であり、効率的な開発プロセスを確立することが重要です。
デザイン
デザインは、システムの外観やUI(ユーザーインターフェース)などを設計する作業です。
デザインには、画面レイアウト、色彩、アイコンなどが含まれ、ユーザーにとって直感的で分かりやすいものであることが求められます。
良いデザインを実現することで、ユーザーの利用意欲が高まり、システムの使い勝手が向上します。
導入・導入支援
導入とは、システムを実際に利用するための環境を整備することです。
これには、システムのインストールやセットアップ、データ移行、利用方法の説明などが含まれます。
導入作業がスムーズに行われるよう、詳細なマニュアルの作成やトレーニングの実施が必要となります。
また、導入支援も重要です。
導入支援とは、システムの導入後に起こる問題やトラブルに対応するための支援です。
ハードウェア・ソフトウェア購入費用
ハードウェアとは、コンピュータやサーバーなどの物理的な機器のことであり、ソフトウェアとは、システムを動かすためのプログラムのことです。
システム開発にはハードウェア・ソフトウェアの購入費用も含まれます。
必要な機能や性能、購入後の保守費用も考慮しつつ、慎重に検討していきましょう。
以上が、システム開発の内訳の7つの項目についての説明です。
要件定義から開発、デザイン、導入まで、多くの工程が必要であり、それぞれの工程が適切に行われることで、システム開発の成功につながります。
システム開発会社選びの失敗を防ぐポイント
システム開発会社を選ぶ際には、以下のポイントに注意することが大切です。
- 見積りから費用・機能を比較し、検討する
- 開発実績のあるシステム開発会社を選ぶ
見積りから費用・機能を比較し、検討する
まず見積りを取得し、費用や機能を比較し、検討することが大切です。
見積りには、システム開発に必要な人員や期間、ハードウェア・ソフトウェアの購入費用、保守費用などが含まれます。
また、必要な機能や性能などを比較することも含まれます。
要件定義を行う前に、見積りの中身を把握し、比較検討することが重要です。
開発実績のあるシステム開発会社を選ぶ
開発実績があるかどうかも、重要なポイントです。
多くのプロジェクトを手がけ、経験を積んでいる会社は、品質の高いシステムを開発することができます。
開発実績をホームページやパンフレットで公開している会社が多いため、過去に手がけたプロジェクトの事例や、お客様の声を必ずチェックしましょう。
開発実績だけでなく、システム開発会社としてのスキルや技術力、開発手法などを知る必要もあります。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、システム開発における費用について解説しました。
自社のシステム開発において、費用を抑えるためのポイントや、システム開発会社を選ぶ際に注意すべき点を把握しておくことは大切です。
また、企業のニーズに合わせた慎重な計画と、適切な開発方法・相場を知っておくことも開発を成功に導くためにかかせません。
これらを考慮し、効果的なシステムの導入を目指していきましょう。